はるさわ健康ライフ

上海駐駐在員の健康事情⑪ 肩痛や腰痛、膝痛

肩痛や腰痛を言うと、四十過ぎの男性が頭に浮かびますが、実は日常の診療の中では、びっくりするほど女性の患者も多いです。肩痛や腰痛を罹った場合、一般的には姿勢が悪い、パソコンや机の上の仕事時間が長すぎるなどという原因をあげられますが、それなら同じ条件で仕事をしているのに、なぜか肩が痛くなる人と痛くならない人がいるでしょうか?或いは同じ腰を使う運動や仕事、例えば同じゴルフをしても、腰が痛くなる人とならない人がいます。これはなぜでしょうか?また、五十代後半になると膝痛、膝が曲がりにくい、曲がる時に音がするなども出てきます。中医はこれらの痛みは全部同じ問題としてみています。

中医では”腎主骨”と提唱しています。要するに骨は五臓六腑の一つ、*腎蔵に支えられていると考えられている。人間の生まれつきの精力は腎蔵に蓄積されていると考える。年と共にこの精力はだんだん減っていきます。とりわけ女性の場合は月経不調や出産など、ある意味では男性より気血や腎蔵の精力を消耗しやすいのです。

また、先天的な腎蔵の精力以外にも、日常で積み重ねてきた後天的な気血の状態の異常からも痛みを生じます。気が足りないと、血液の巡りが悪くなり、滞った血液は“瘀血”(おけつ)と称します。このところどころに溜まっている血液、すなわち瘀血は色々な痛みの一番の原因です。それ故に、中医では“不通則痛、痛則不通”という言葉が成り立ています。一方、肩痛や腰痛、膝痛などの原因を遡って聞くと、外傷、冷え、疲労なども多いので、中医治療では薬で、まず腎蔵を補う気を補強し、血液を活性化させ、全身状態を整えます。次に針やお灸で肩や腰、膝など局部を暖めながら、痛みを軽減させていきます。これ以外にも整骨、牽引など物理的な方法もあります。既に歪んでいる骨をもとの状態に戻させるという方法ですが、治療をしている間は改善が可能ですが、暫く放置すると元に戻ってしまいます。中医の内服外治*にて、原因をみつけて治した方が良いと思います。

* 中医の“腎蔵”は西洋医学で言う腎蔵とは意味が違います。西洋医学の腎蔵よりもっと広い機能を持っています。
* 気は人が生きるために必要な活動や運動を支えるエネルギー源だと考えます。目には見えませんが、血液の流れをよくしたり、内臓をしっかり働かせたりしています。
* 内服外治:飲み薬と針灸などの物理療法の同時併用にて治療効果が倍増します。

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